今年からなくなったNHKラジオの実践ビジネス英語の私は長年大ファンだった。私の英語力のかなりの部分をこの番組がつけてくれたと言ってもよい。この番組の中で以前から気になっていたことが一つあった。それは関係代名詞が使われるときは必ずと言っていいほどthatが使われるということ。関係代名詞のwhichに遭遇したことはたぶんないのではないかと思う。この番組の杉田先生はthatの方が好きのなのだろうくらいに思っていた。しかし、実はそんな単純な理由ではなかったことが最近判明した。
イギリス人の知り合いと話す機会があって、関係代名詞の話になり、イギリス人が関代名詞のwhichを使うことはほぼないと教えてくれた。少なくとも彼の友達には一人もいないとのこと。だから、日本では普通に教えられている以下の文章にネイティブの彼は非常に違和感を覚えるらしい。
1 This is the book which is read all over the world.
2 This is the book which I read yesterday.
2の目的格の関係代名詞はもともと省略できるので私も以前からしっくりこないとは思っていた。しかし、1の文章は日本の英語教材ではよくある英文であり、私も全然違和感なしに今まで教えていた。しかし、イギリス人の知人が言うには1の英文でもwhichを使うことはないらしい。ただ、文法的には間違いではないらしい。関係代名詞のwhichが使われるのは次の用法のときだけみたいである。
3 He told me the story yesterday, which was not true.
話を元にもどすと、杉田先生の英文は今思い返すとまさに私のイギリス人の言うとおりに関係代名詞が使われていたのだ。現代英語に非常に通じている人だったのだと思う。
私は自分のオリジナルの教材で英語を教えることがほとんどだが、もう一度自分の作った教材を見直してみようと思う。まさに言語は生き物なのだと感じる。特に英語は変化の度合いが速い。
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